住宅の工法
よく判らないのが、住宅の工法(構造)
住宅展示場に行って、いろいろな住宅があるけれど、
そもそもどんな種類があるかよく判りません。
工法(構造)で分類しますと次のようになります。
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■木造軸組工法
在来工法の代表格で、さまざまな住宅会社(工務店)が建てやすい工法です。
柱や梁の軸状の部材で構成されるのでこう呼ばれます。
筋違などの斜めの部材で地震力に抵抗しますが、最近は構造用合板で耐震
性を出している建物も多く、2×4工法に近い建物が普通で純粋な木造軸組は
少なくなりました。
大工さんを下請けにして、お任せで建てられるので、住宅会社に殆ど技術者
がいなくても建物はできます。
また、建築確認申請上の構造の審査はありません(大規模でない限り)。
不動産会社や地場の住宅会社ではこのように、技術者不在になる恐れがあ
りますので、本当に技術の理解できる建築士と打合せしましょう。
大手の住宅メーカーでも、この工法を採用している会社は多いです。
つまり、大工さんの建築費の上に工務店の経費が載り、その上に住宅会社
の経費が載ります。
価格だけでしたら、大工さんに建ててもらうのが一番安いですが、大工さんの
能力次第で建物の良し悪しが左右され、失敗に気づいてからでは手直しのし
ようがありません。
その意味では、大工さんに経費を載せた工務店の存在意義がでます。
住宅メーカーはその工務店にさらに経費が載ります。
そのブランド力と信用に保険的な意義を考えると住宅メーカーで建てる価値
があります。
■2×4工法
2×4インチの木材を基本に、合板と組み合わせ、比較的単純な部材構成で
作る箱型構造の壁・床で建てる木造の工法。 もともとは北米からの輸入住
宅の工法。
壁面や床面のパネルで構成されてますので、耐震性はかなり期待できます。
大工さんは普通はこの工法をしませんが、工事は可能です。
大手の住宅メーカーでは、この工法を採用している会社は多いです。
■プレハブ工法
プレハブ住宅の主力はこの工法です。
殆どが鉄骨系です。
大量販売の関係で、商品開発部門があり、設計・工事・部品から施工体制ま
で建築のシステム化をしており、住宅のシステムの完成度は高いです。
システムとしての完成度は高いですが、あなたの住宅は地域の担当の社員
が設計しますので、あなたに相応しい建物を提供されているかどうかはその
社員の能力次第です。
また、建築費は必ずしも廉価ではありません。
見積もりは 「標準本体工事 一式 ¥25,000,000-」 などで、建物の
内訳明細が表示されないのが一般的です。
自動車の価格の内訳書がないのと同様ですね。
(しかし、住宅建築では、私のお薦めする総合建設業者は50ページほどの内
訳明細を提示して契約します。)
建物まわり給排水設備工事などの追加工事の内訳は表示されますが、そも
そも、本体の大きな金額の内訳がありませんので、穴のあくほど見ても価格
の明細はわかりませんし、付帯工事だけの明細を見ても意味がありません。
信用した住宅メーカーのブランドの価値を買うことになります。
そもそも、社員も本当の原価を知らないはずです。
直接工事費という原価以外に会社の経費が載ってます。これはブランドと理
解して、詮索すべきではないでしょう。
広告費、住宅展示場の経費や研究開発の経費その他が多々載っかってま
す。これらすべてはあなたが工事費として支払うことになります。
さらに、その会社の原価の内、プレハブ部材を作ってる社内工場の部材代に
も経費が載ってますが、各支店・営業所の担当者は工場部品の内訳は知り
ません。
(各支店での住宅の実行予算の中で、工場部材は支店から社内工場への発
注になりますが、
その工場部材の原価内訳まで管理してません)・・・・私の知ってる1社の例で
すが。
あなたの家の、会社全体の「本当の原価」を知らされていないし、支店の現場
担当は知る必要もないのです。
■鉄骨造
在来工法と言いますが、重量鉄骨で構成されて、見た目にもとても安心感が
伝わります。
難点は、柱が大きいので、壁の隅に「柱型」ができて、建物の隅にユニットバ
スなどを設けると、
プラン上デッドスペースが発生したり、プランの制約を受けますが、大空間を
たやすく作れて、
とても大胆で優美なデザインの可能性がありますので、設計者としては取り組
んでみたい工法でもあります。
会社案内の電機工場の屋根が丸いのもそうです。
■鉄筋コンクリート造
いまやこの工法の住宅を建てる方は殆どいません。
工事費が高いのが難点ですが、工事費をいとわない方にはとてもデザインの
とても美しい、すばらしいものができる可能性があります。
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