■■【今回のご質問にお答えのコーナー】■■中二階やスキップフロアの課題
家づくりを検討される皆さまから寄せられる質問にお答えするこのコーナー。
今回もお悩みにお応えしていきます!
奈良で注文住宅をご検討の方はぜひ参考にしてみてくださいね。
今回のテーマは、「中二階やスキップフロアの合理性について」
一戸建てや注文住宅の設計を検討する際に、
「中二階」や「スキップフロア」を取り入れたいという声を耳にします。
一見、個性的でおしゃれな空間を作れそうなこれらのプラン。
しかし、実際に導入するにはそのメリットとデメリットを慎重に考える必要があります。
傾斜地以外では、これらの設計はあまり合理的でない場合が多いです。
今回はその理由について解説します。
中二階やスキップフロアの課題
● 建築費用の割高感
中二階やスキップフロアは、建築費用が半階分といった単純な計算では済みません。
実際には1階分の建築費がかかる場合がほとんどです。
床や壁の段差を作るための特殊な構造が必要となり、
その分コストが増大します。
標準的な一戸建てよりも割高になることを十分に理解する必要があります。
● 収納としての限界
多くの場合、中二階やスキップフロアは収納スペースとして考えられることが多いですが、
実際のところ、天井の高さが制限されるため使い勝手が悪くなります。
人が立てないほどの高さでは、ものを持ち運びにくく、収納の効率が悪くなることが多々あります。
結局のところ、普通のウォークインクローゼットを設ける方が合理的で効率的です。
● 将来的な使いにくさ
床に段差をつけることはデザイン面では魅力的かもしれませんが、
将来的に部屋をリフォームや模様替えする際に大きな障害となります。
例えば、ライフスタイルの変化や高齢化を見据えると、
段差の多い部屋は安全性や使いやすさに欠ける場面が出てきます。
● 部屋としての活用が難しい
中二階やスキップフロアは設計の自由度を高める反面、
スペースを細分化してしまうため、後から部屋としての使い道が限定的になる場合があります。
「小上がりの畳部屋」も同様です。
一時的にはおしゃれで満足感がありますが、
家族の成長やライフスタイルの変化とともに、
その実用性に疑問を感じるケースが多いのです。
■ 傾斜地ならではの有効活用
ただし、傾斜地に建てる場合には、中二階やスキップフロアは
理にかなった設計となることがあります。
傾斜を活かして階ごとに独立した用途を持たせたり、
景観を楽しむスペースとして計画することで、
費用対効果の高い設計が可能になります。
このように、条件が限られる場合には採用を検討しても良いと言えるでしょう。
■ 代替案:フラットな床面と充実した収納設計
建物内の段差をできる限りなくし、フラットな床面で一体感のある空間をつくることが、
長く快適に暮らせる家の基本です。
また、中二階やスキップフロアのような収納を求める場合には、
家の形状や間取りに応じたクローゼットやシューズインクローク、
ウォークインクローゼットを計画することで、
より実用的で理にかなった家づくりができます。
これは逆に、2階の部屋から、1階の小屋裏収納庫に、歩いて入れるプランで、
遣いやすく合理的。
■ 以上のように、中二階やスキップフロアは
デザイン面では魅力的ですが、実際の合理性を考えると慎重な判断が必要です。
家づくりは長い目で見た時に住みやすさや快適さを最大化する設計が最も重要です。
奈良で理想の家を建てたい方は、ぜひランドマークにご相談ください。
次回の【お答えのコーナー】もどうぞお楽しみに!
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