色指定の影響
床の色を指定すると、床材以外にも影響が出ることに注意を払う必要があります。この家は、床材をダークオーク色にされたのは良いですが、それに見合う黒い上り框が必要でした。
そこで、検討の結果、黒檀(貼り物でない)を使うことにしたのが、この写真です。
黒檀は仏壇などに使う、とても硬い木で、切り口ではほとんど年輪が見えないものです。
黒檀は鋼鉄のように硬いので、電動鋸でもなかなか切れなく、この框1箇所切るのに丸鋸の刃から煙が出て、刃が無くなりました。
色合いはなかなか良い物になりました。
このように、1つの色を決めると、他の何に影響があるか、考えないとなりません。
フローリングの色を決めるということは、それに接する上り框や幅木や建具など、いろいろな部分の材料選定の配慮が必要です。
設計には、その総合的な判断力が求められます。
この場合、上り框の存在観がありすぎで、逆に、天然素材でないフローリングが、プレハブメーカーの規格部材なので、この床が框に負けてます。
フローリングとの框の質感のバランスや予算配分を考えることも課題です。
1ケ所の予算を上げると他の部分の予算がつれて上がり、総額では大変な上昇になるおそれがあります。
住宅は、往々にして、当初予算より上がります。その余裕を勘案して進める必要があります。
特に、キッチンや風呂などは、ショールームに行くと、価格の高いものに決めてしまいます。よほど、気を引き締めて、限度を決めないことには。