■■【今回のご質問にお答えのコーナー】■■ 建築士だから知っている「お金をかけなくてもできる性能向上」
こんにちは!
今回も、お悩みにお応えしていきます!
奈良で注文住宅をご検討の方はぜひ参考にしてみてくださいね。
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建築士だから知っている「お金をかけなくてもできる性能向上」
住宅の性能を上げようとすると、
多くの方が「高額な断熱材」「最新設備」「ハイグレードな窓」といった“追加投資”をイメージされます。
しかし、建築士の視点から見ると、必ずしもお金をかけなくても実現できる性能向上の方法が存在します。
むしろ、設計上の工夫ひとつで暮らしの快適性は大きく変わるのです。
ここでは「お金をかけずに性能を上げる知恵」をいくつかご紹介しましょう。
1. 窓の配置で「光と風」をコントロール
住宅のエネルギー消費の大部分は冷暖房です。窓をどう設けるかで、その効率は劇的に変わります。
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南側の大開口:冬場の陽射しをたっぷり取り込み、自然な暖房効果を得られます。
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深い庇の役割:夏場は庇が直射日光を遮り、冷房負荷を減らします。
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東西窓の工夫:西日は強烈な熱を持ち込むため、窓を小さくしたり、格子や植栽で熱を遮ると効果的。
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南北の窓の対角配置:自然な風の通り道をつくり、エアコンに頼らず快適な通風を確保。
これらは設計段階で計算できること。つまり追加費用ゼロで実現できる「性能向上策」なのです。
2. 空間の設計で快適性を高める
「断熱材を増やす」よりも、空間の区切り方や高さを工夫することで体感温度を調整することができます。
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吹抜けを設ける場合も、スリットや建具で空気を制御すれば、冷暖房効率を損なわず開放感を楽しめます。
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天井を少し低めに設定するだけでも、暖房効率が向上し、無駄なエネルギーを使わずに済みます。
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家族が集まるLDKは大きく、寝室や収納はコンパクトに。用途に応じて空間をメリハリよく分けると、効率的で快適な住まいになります。
「空間設計」=設計士の腕の見せ所。追加費用ではなく、知恵で性能が変わります。
3. 断熱より「遮熱」を優先する知恵
断熱材を厚く重ねるよりも、夏の熱を室内に入れない「遮熱」が有効な場合があります。
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屋根や外壁で太陽熱を跳ね返せば、室内温度上昇そのものを抑制。
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遮熱シートやアルミ材は比較的安価で導入可能。
ランドマークでは特許工法の「アルミ遮熱」を標準仕様にしており、
高価な断熱材に頼らず快適な室温を保つことを実現しています。
4. 素材選びとメンテナンス性
「高級外壁材=性能が高い」と思われがちですが、必ずしもそうではありません。
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表面が汚れにくい素材を選ぶだけで、塗り替え回数が減り、長期的には維持費が安く済みます。
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内装材も、調湿性能のある自然素材を部分的に取り入れるだけで、結露やカビを防ぎ、冷暖房効率が上がるケースがあります。
これも「性能を高める=ランニングコストを下げる」という広い視点で考えることが大切です。
5. 家のかたちを工夫する
建物の形状も性能に直結します。
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凹凸の多い外形は、熱の出入りが増え効率が下がる。
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四角いシンプルな形状は、外皮性能が高く施工も容易なためコストも抑えられる。
つまり「形を整える」だけで、見えない性能向上につながります。これも追加費用は不要です。
まとめ
「性能を上げる=お金をかける」という発想は、半分は正解ですが半分は誤解です。
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窓の配置
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空間の高さと区切り方
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遮熱の工夫
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素材の選び方
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建物の形状
これらの工夫だけで、お金をかけずに“体感性能”を何倍にも高めることが可能です。
性能とは設備や断熱材だけで決まるのではなく、設計の知恵によって大きく左右されるのです。
建築士だからこそ知っているこの「工夫の価値」を、ぜひ皆さまの家づくりに役立てていただければと思います。
次回の【ご質問にお答えのコーナー】でも、
皆さまのお悩みを解決するためのたくさんのヒントをご紹介していきます。
ぜひ、皆さまのご質問をお寄せください!
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