地盤補強の一種、砕石パイル工法の営業を受けました
奈良県で注文住宅の家づくりをするランドマークです。
弊社には、住宅会社として、様々な営業の方々が来社されます。
今日は、砕石パイル工法の会社の営業を受けました。
地盤補強のいろいろな工法を並べた資料をいただきました。
一般的な住宅の地盤補強は、現場で施工するコンクリート杭の「湿式柱状改良杭」で
弊社は主にその工法を採用しています。
このたびの「砕石パイル工法」は、コンクリートの代わりに砕石を使用する工法で、
この営業の方は、安くできるのが特長とのことでした。
しかし、私の関心事は構造的な問題で、地震時の剪断について質問をしました。
また、地震力は水平だけでなく、鉛直方向で、下から突き上げるものもあります。
いろいろなリスクに対して、構造設計者として関心のあることに対して、
質問をしたのですが、全くそれにたいするお答えがいただけず、
ただ、安いですとか、年間何棟の施工ですかとの話だけで閉口しました。(>_<)
いじわるをした訳ではないのですが、特殊な施工工法の営業ですから当然に
適切な回答をいただく必要があります。
どうも一方的な営業トークではなく、変化球のような質問は対応が出来ないようです。
営業は大変な仕事ではありますが、歌を歌うように、決まった流れの話は延々
できますが、その途中で変化球がくると困ります。
この工法では、地震時の液状化の対策にもなるとのことで、それは理解しましたが。
要は営業の方で、技術的なことは説明が出来ないようで、売るだけの方でした。
この工法は、実は旧知の工法でしたが、地震時の剪断の問題など疑問が多々あり、
安いからといって、大切なランドマークのお客様の家には採用できないと
思っていた工法です。
私、森下は今や、デザインの優れた家、住まいとしての環境性能の良い家、
感動と幸せの家を造るのが主な事業になりますが、
元は構造系の技術者で、大学の時はセメントと水と砕石と砂を手練をして、
コンクリートの供試体や鉄筋コンクリート造の構造モデルを作り、
圧縮試験機やジャッキなどで試験をしていました。
私たち科学者は、構造等の課題について、仮説を立てて、それを裏付けする実験を
繰り返すことで、自分の科学的な課題を解決するものです。
このたびの営業の方は、失礼ですが建築構造技術者ではなく、
文系の方のようで、残念ながらランドマークにはこの工法は採用されませんでした。
営業の方、お疲れ様でした。
ご期待のそえず申し訳ございません。
住宅を購入される方は、営業マンの説明を受けることになりますが、
説明される営業の方が、必ずしも建築の専門家でない場合があります。
過去に、「耐震等級」が高くても家族の安全には寄与せず、「制震工法」が
住宅には必要と説明させていただきましたが、
ぜひ、信頼できる方に大切な家の相談をし、納得の価値ある家をお建てください。