地盤補強の一種、砕石パイル工法の営業を受けました

奈良県で注文住宅の家づくりをするランドマークです。

弊社には、住宅会社として、様々な営業の方々が来社されます。

今日は、砕石パイル工法の会社の営業を受けました。

IMG_448896.JPG地盤補強のいろいろな工法を並べた資料をいただきました。

IMG_448891.JPG一般的な住宅の地盤補強は、現場で施工するコンクリート杭の「湿式柱状改良杭」で

弊社は主にその工法を採用しています。

IMG_446692.JPGこのたびの「砕石パイル工法」は、コンクリートの代わりに砕石を使用する工法で、

この営業の方は、安くできるのが特長とのことでした。

しかし、私の関心事は構造的な問題で、地震時の剪断について質問をしました。

また、地震力は水平だけでなく、鉛直方向で、下から突き上げるものもあります。

いろいろなリスクに対して、構造設計者として関心のあることに対して、

質問をしたのですが、全くそれにたいするお答えがいただけず、

ただ、安いですとか、年間何棟の施工ですかとの話だけで閉口しました。(>_<)

いじわるをした訳ではないのですが、特殊な施工工法の営業ですから当然に

適切な回答をいただく必要があります。

どうも一方的な営業トークではなく、変化球のような質問は対応が出来ないようです。

IMG_449005.JPG

営業は大変な仕事ではありますが、歌を歌うように、決まった流れの話は延々

できますが、その途中で変化球がくると困ります。

この工法では、地震時の液状化の対策にもなるとのことで、それは理解しましたが。

要は営業の方で、技術的なことは説明が出来ないようで、売るだけの方でした。

この工法は、実は旧知の工法でしたが、地震時の剪断の問題など疑問が多々あり、

安いからといって、大切なランドマークのお客様の家には採用できないと

思っていた工法です。

私、森下は今や、デザインの優れた家、住まいとしての環境性能の良い家、

感動と幸せの家を造るのが主な事業になりますが、

AZ外観.JPG

元は構造系の技術者で、大学の時はセメントと水と砕石と砂を手練をして、

コンクリートの供試体や鉄筋コンクリート造の構造モデルを作り、

圧縮試験機やジャッキなどで試験をしていました。

私たち科学者は、構造等の課題について、仮説を立てて、それを裏付けする実験を

繰り返すことで、自分の科学的な課題を解決するものです。

このたびの営業の方は、失礼ですが建築構造技術者ではなく、

文系の方のようで、残念ながらランドマークにはこの工法は採用されませんでした。

営業の方、お疲れ様でした。

ご期待のそえず申し訳ございません。

住宅を購入される方は、営業マンの説明を受けることになりますが、

説明される営業の方が、必ずしも建築の専門家でない場合があります。

過去に、「耐震等級」が高くても家族の安全には寄与せず、「制震工法」が

住宅には必要と説明させていただきましたが、

ぜひ、信頼できる方に大切な家の相談をし、納得の価値ある家をお建てください。